■New! 10月12日発売の『Jミステリー2022 FALL』(光文社)に、書下ろし短編ミステリー『鯉』を寄稿しました。
横浜の一角に屋敷をかまえる、ある古い素封家の家族に起きた事件を描くオーソドックスなミステリです。ある女性の遠い記憶に秘められた謎をめぐる物語で、ひさしぶりに少女や女性を中心に描いた作品になりました。ぜひお手にとってみてください。(Amazonでは→こちらから)
「この町はとっくにひっくり返っている。みんなが気づいていないだけでな」
〈はじまりの町〉の初等科に通う少年・トゥーレ。ドレスの仕立てを仕事にする母は、「羽虫」と呼ばれる存在だ。誇り高い町の住人たちは、他所から来た人々を羽虫と蔑み、公然と差別している。町に20年ぶりに客船がやってきた日、歓迎の祭りに浮き立つ夜にそれは起こった。トゥーレ一家に向けて浴びせられた悪意。その代償のように引き起こされた「奇跡」。やがてトゥーレの母は誰にも告げずに姿を消した。
消えた母親の謎、町を蝕む悪意の連鎖、そして、迫りくる戦争の足音。
“四人の人物が語る四つの事件の向こうに、やがて〈町の物語〉が見えてくる。私たちの「現在」につながる痛みと希望の物語になればと思っています。”(連載開始時の著者コメントより)
■☆彡『彼らは世界にはなればなれに立っている』書評(掲載順です)
朝日新聞・東京大学教授(教育社会学)の本田由紀さんによる書評は→こちらです。
産経新聞・書評家の関口苑生さんによる書評は→こちらです。
「カドブン」・翻訳家で法政大学社会学部教授の金原瑞人さんによる→こちらです。
■『彼らは世界にはなればなれに立っている』が、第4回 山中賞に選ばれました。山中賞は、TSUTAYA中万々店の書店員・山中さんが、半年に一度「どうしてもお客さんに読んでいただきたい本」を一冊、選んでくださる賞です。
■『彼らは世界にはなればなれに立っている』執筆の動機については、連載開始前の2019年12月に朝日新聞デジタルのインタビューでお話しました。よろしければご覧になってみてください。→こちらです。
また、連載開始にあたって、文芸ジャーナリストの佐久間文子さんが、これまでの3作の書評を中心に、新作についてもふれた文章を寄せてくださいました。よろしければ、こちらもご一読ください。→こちらです。
■朝日新聞朝刊〈耕論〉に掲載された司法取引についてのインタビューは、デジタル版でアーカイブがご覧になれます。→こちらです。